前編記事の続きです。
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後半は、マインドコントロール(脳内ハック)のパターンを紹介します。
なぜ紹介するかというと、パターンがあるからです。
破壊的カルトやマインドコントロールのパターンを知ることで、引っかかりにくくなります。
心の中で警報を鳴らせるのです。
コロナのワクチンのようなものですね。
この手法はカルト集団だけでなく、詐欺や自己啓発セミナーでも多用されますので、パターンを知ることで免疫を付けておくことをお勧めします。
マインドコントロール(脳内ハック)のパターン
マインドコントロールには、いくつかパターンがあります。人々が信じやすくなる状況は次の通りです。
少し引いた目で観察することが予防策となります。
1. 科学データを組み合わせて信ぴょう性を持たせる
2. カリスマの指導者がおり、神秘体験を語る
3. いろいろな人格パターンに合わせた話し方ができる
4. 社会の矛盾を突く。本質を突いていることが多い
5. 最初の一歩のハードルは非常に低いので警戒感が薄れる
マインドコントロールの流れは大きく3つのステップをたどります。
1. 解凍(今までの価値観の破壊)
恐怖や罪悪感により、このままではダメだ、考え方を変えなければ、、と価値観やアイデンティティを揺さぶります。
2. 変革(新しい価値観の埋め込み)
価値観が揺さぶられ、不安定になると、価値観やアイデンティティに空白が生じます。そこに新しい価値観を埋め込みます。今までの思い込みを解放しているように見えて、新しい洗脳をかけてきます。
3. 再凍結(新しい価値観の固定)
新しい価値観を繰り返し埋め込むことで、強固にします。破壊カルトの場合は閉鎖空間で他からの情報が入らなくなることが多いです。
閉鎖空間と同じことが起こりやすくなるんだよ
タライラーマのマインドコントロール経験談
僕も20代のときに地球環境保全と洗脳を組み合わせたNPOの中枢にいたことがあります。
といっても、その団体は数々の破壊カルトと比べれば実害は全く少ないもので、だからこそ途中でおかしいなと気づき、距離を置くことも出来たのだと思います。
本格的な破壊カルトであればそうもいきません。
僕の関わった環境保全団体は、環境破壊は経済優先の社会が引き起こしている。もっともっと(More and More)の世界から、足るを知る。調和を大切にした価値観へシフトする必要があるというものです。
ありきたりと言えばそうなのですが、ストーリーが感動的に作られているので、知らない間に引き込まれていきます。
そのNPOの理念は素晴らしいのですが、価値観の転換を図るために洗脳の手法を使っていました。ヤマギシ会という団体があるのですが、その団体の手法をリーダーは取り入れていました。
その団体は破壊的カルトのような破壊活動はしていませんでしたが、マインドコントロールの手法は多用していました。
最初は素晴らしい団体だと思っていたのですが、その団体の中枢にいる人たちをみているうちに、何となくおかしいな、、と感じるようになり、
地球の周りを回る月のように一定の距離を保ちながら、その団体を観察するようになりました。
中枢にいながら観察するようになったよ
その団体を仮にNとしましょう。
なぜ僕は講演会に参加し、会員になったのか
団体Nは、講演会を毎日のように開くことで経済優先から調和を目指す人を増やすことで社会を変えて行こうとしていました。
代表が講演をするのですが、講演者の話は非常にうまく作られており、多くの参加者がその講演会で涙しました。
価値観を揺さぶられ自分の生き方を反省し、生き方を変えようと会員になる方が多くいたのです。
その一人が大学院時代の僕でした。
実際、地球環境保全の話を毎日のように主催して、300人から500人くらいの会場を満員にしていくなんて並大抵のことではありません。
地球環境を守ろうという全国に散らばる会員のコミットメントは並々ならぬものがありました。
学生のころ、地球環境問題に関心を寄せており、履修した科目の教授がNの講演を紹介したのが参加の切っ掛けでした。
参加費も1,000円くらいでした。
社会活動が地球環境にどのように影響を与えているかを科学的データで示しながら、私たちの生き方が環境を壊し続けている、とライフスタイルの転換を図る内容でした。
代表は大手企業で出世街道を走っていましたが、ある時交通事故に会い生死をさまよいます。
死の直前に体から魂が抜け、病院で医者たちが自分を看病している姿を上から眺めたというのです。
死後の世界は空間と時間が折り畳まれており、行きたいところに瞬時に行き、未来も見通すことができたそうです。
そして講師は、10年後にソビエトが崩壊(当時)、さらに10年後にアメリカが崩壊するビジョンが見えたというのです。
実際に10年経ってもアメリカは崩壊しなかったんですけどね。当時はまだ、ソビエトが崩壊して10年経っていませんでした。
講演会では、
「その当時はソビエトが崩壊するなんてありえないと思っていたが、実際に事故から10年後にソビエトは崩壊した。そして今のままではアメリカが崩壊し、資本主義も終焉を迎えてしまうかもしれない。だからこそ、私たちは資本主義社会から調和社会へ向かうことが大切だと考えているのです。」
そんなことを言っていました。
このままでは、アメリカが崩壊して、資本主義も終焉を迎える。
それは私たちのもっと欲しいもっと欲しい、という生き方が引き起こしている。
何とかしなければ未来に美しい地球を残せなくなる。
できることをやろう!と会員になりました。年会費は3,000円くらいだったと思います。
その団体の信ぴょう性につながりました
生じた実害
その団体の思想は経済活動が地球環境を破壊するというものです。従い、この団体に深入りすると経済活動に罪悪感が生じます。
つまり、仕事にやりがいが見いだせなくなってくるのです。
所有は悪、エネルギーの消費は悪という価値観ですので、車を所有するのは悪、お風呂に毎日入るのは水を汚しエネルギーを消費するので悪という発想になります。
お風呂に入る回数が少ないほど偉い、車を持たない人は偉いという、新たなモノサシができていました。
そうなると夫婦での価値観がずれてきます。例えば夫が家族のためにお金を稼いでも、その社会活動によって地球環境が汚れてしまうと妻は言う訳です。しかし、妻も夫の給料によって生活が支えられています。
こうした自己矛盾が突き付けられていくのです。そうなると周囲からは理解を得にくくなります。
そのため、会員同士で固まることが多くなり、団体に依存するようになってきます。
その団体は会員からお金を巻き上げるようなことはしませんでした。その団体の理念に基づき、純粋に活動しているのです。
しかし、結果的に人生が狂ってくる。そういう人を見てきました。
講演会や合宿
一度講演を聞いても、生き方を見直そうと思っても時間が経つとその感覚は薄れてきます。しかし、会員通しで講演会やボランティアスタッフの誘いなどがあり、何回か参加したことがあります。
合宿では硬軟を織り交ぜてました。最初は代表が上座におり、メチャクチャ怖いのです。こんなことで美しい地球を守れるのか、もっと多くの人に価値観の転換を図ってもらわなければ、と厳しい口調で言う訳です。
あなたたちは、頭で考えることばかりで感情が麻痺してしまっている。もっと、感じることを大切にしてほしい。
そんな感じで、何か発言すると、それは頭で考えたことだ。
本当の感情はどうなんだ、と言われます。こういうことが繰り返されると、何が正しいのか混乱してきました。
距離を置き始めましたね。
本当はいい人だからと、離れられなくなるんだよね。
タライ・ラーマくん今回は、環境保全と洗脳を組み合わせたNPOへ入会したときの話だよ。環境問題の本質に触れる環境問題の本質についての講義こうして、私は大学受験で第一希望としていた大学に、大学院生の立場で[…]
まとめ
マインドコントロールにかかった人を救うのは充分に修練を積んだ人でないと難しいのが現状です。
身の周りの家族がマインドコントロールにかかっている場合は、プロに任せることをお勧めします。
下手にやるとこじれることが多いです。
ですので、まずは自分自身がマインドコントロールにかからないようにすることが大切です。
そのためにはパターンを知ることが得策です。
自分は大丈夫!と思うとカモになります。
マインドコントロールは誰でもかかりえます。だからこそ、どこかで冷めた目が必要です。
社会生活を送る上で支障が出ていないか、家族や友人、周りが苦しんでいないか。
それを振り返ると、深みにはまる前に気付ける可能性が高まります。
エピローグ
正しいは、いったん止まると書きます。本当に正しいのか、どんな時でも立ち止まる姿勢が大切だと考えています。
僕は禅の教えが好きです。禅は囚われないことを良しとします。
囚われないとは、師の教えにも囚われないということです。
お釈迦様は教えを説くときに、聴衆に自分の意見が間違っていると思ったら手を挙げなさい。
と何度か確認をしたそうです。
師の教えを鵜呑みにすることを嫌ったのですね。禅ではさらにその姿勢が顕著だと言います。
千手観音の正式名称は千眼千手観世音菩薩と言うそうです。千の眼であらゆる視点から物事をみて、人々を救済するということだそうです。
自分が正しい、あなたは間違っていると思ったときが危険信号。
思考を柔軟にするには、いったん立ち止まり千手観音の視点で、別の見方がないかと見る習慣が有効です。
結果としてマインドコントロールもされにくくなると信じています。
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