今回は、悩める人を解決に向かわせるカウンセリング技術の鉄板ともいえる手法「ABC理論」を解説します。
別名、論理療法とも呼ばれているものです。
悩んでいる人を手助けできるだけではなく、自分が悩みを抱えているときにも使えますので、ぜひ活用してほしいと思います。
僕は昔、ネガティブなことを1週間考え続けるとどうなるか、を実験してみたことがあります。どんなこともマイナスに考えてみるようにしたのです。
どうなったか?1週間経っても負のスパイラルが止まらなくなりました。マイナスに考える思考回路が習慣化されてしまったのです。
1週間でやめるつもりだったのに、自然とマイナスなことを考えるようになりました。
結局、元に戻るのにすっごく時間がかかりました(病院にも通いましたよ)。
良くも悪くも1週間で習慣化されてしまうんだなとびっくりしました。
悪いことが起こったとき、最悪だと思ったときは、初期の段階で視点を変えて、自分を守っていくことを痛感しました。
もちろん、最悪がゼロにはなりませんが、100%マイナスだったものが、80%マイナスくらいになるだけでも随分と変わるものです。
ぜひ、ABC理論を活用してくださいね。
僕自身、最悪な事態と感じるときに頻繁に使っています。
こんな人に読んで欲しい
このブログは最悪な場面に直面して落ち込んでいる人、思考がマイナスに陥りがちな人、様々な思い込みで苦しんでいる人に特に読んで欲しいです。
正確には、最悪な時点よりほんの一歩前に活用してもらいたいです。僕の乏しい経験では、最悪の時ってなにも考えられなくなるんですよね。
悩みが100%解決する魔法の理論ではありませんが、10%でも悩みが軽減できれば、新しい一歩を踏み出しやすくなると思います。
実際、いろいろな方がABC理論で最悪と思えることから脱出しています。
ABC理論とは
ABC理論とは
ABC理論とは、A(Affairs:出来事)とC(Consequence:結果)の間には、B(Belief:受け取り方)というスペースがありますよ。
という理論です。
アルバート・エリスというアメリカの臨床心理学者が考案したものです。
簡単に言うと、私たちが事実と思っていることは本当に事実ですか?別の見方はできませんかという問いかけをする手法です。
ABC理論は論理療法とも言われます。
この呼び名はある出来事の解釈が事実ではなく思い込みに過ぎないのでは?
と自ら気づくことで、論理的な解釈(事実に基づく解釈)に修正することができる、ということから由来しています。
例えば、離婚をした人がいるとして、「バツイチになってしまった、なんて不幸なんだ!」と感じる人もいれば、「バツイチになったのは事実だが、新たな出会いのチャンスともなりえる」と感じる人もいます。そして、実際に新たな出会いが生まれる人もいます。
同じ出来事でも、受け取り方が変わることで結果の解釈が変わるということです。
離婚以外にも失業、上司から怒られた、恋人に振られた、お金を失った、など最悪だと思う出来事に、悪いには違いないが、本当に最悪なのか?
(100%悪いことなのか、10%くらいは良いことがあるのではないか)とプラス面にも焦点を当てていくというものです。
ABC理論は、ポジティブシンキングとは少し異なります。
ポジティブシンキングは、どちらかというとマイナス面に蓋をして、プラス面だけを考えていくものです。
マイナス面に蓋をするのは論理的ではありません。
ABC理論は、マイナス面は事実として受け入れつつ、「マイナスの中にプラスはないだろうか」、とより正確に物事を見ていく視点です。
だからこそ、出来事がより事実に基づいた見方となり、論理的なのです。
例を出して説明
「投資でマイナス20%の損失だ。もう最悪だ!!」と嘆き悲しむ人がいるとして、最悪だとしたらそれ以上悪いものは存在しないということです。
しかし、実際にはマイナス30%、40%ということも起こるかもしれませんし、さらに最悪だというのならば世界が滅びるかもしれません。もっと言えば正解が滅びる前に、自分が焼かれてもだえ苦しむというのが最悪かもしれません。
つまり、私たちが考えている最悪は所詮、悪いことであり最悪ではないということです。
悪いには違いありませんが、最悪にならない前に止まっているということです。
投資でマイナス20%の損失か。
だったらマイナス30%ともっと悪くなる前に株を現金化しておこう、上昇を見込んで株を買い増そう、投資だけでなくビジネスにも力を入れておこうとか、最悪と思わなければ、さらに悪くなる前にいろいろな対処の仕方が見えてきます。
別の見方ができると、それだけ選択肢が増えるのです。
千手観音の視点
仏教の菩薩に千手観音がいます。千の手で苦しんでいる人々を救う菩薩ですが、よく見ると手の平に目が書かれています。
千手菩薩の正式な名前は「千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜのんぼさつ)」と言い、千通りの視点で人々を救済する神様です。
どちらが良くてどちらが悪いを超えて、さらに高い視点、様々な角度から見て、人々を救済するということです。
僕も「千手千眼観世音菩薩」のようにいろいろな角度から出来事を見つめたいと思っています。
もしかしたらこれって思い込みに過ぎないのでは?と疑うことで、私たちも自由度が増していくと思うんですよね。
✔ 成功しない人生は意味がない
✔ 上司は自分のことを正当に評価すべきだ
✔ 子どもは親の言うことを聞くべきだ
✔ 親は子供のために正しい道のりを示すべきだ
✔ 離婚したから人生は真っ暗だ
✔ 受験に落ちたから、皆が私のことをばかにしているに違いない
人生全て塞翁が馬
僕自身、大学のセンター試験でストーブが目の前にあり脱水症状で試験中に倒れました。
希望の大学に入れず、最悪だ、と思ったのですが、しばらくすると、希望出ない大学が自分に最も合っている大学であることに気付きました。
息子が小学校3年生で不登校になりました。しかしそのおかげで公立校にはない自由でのびのびした性格の子どもに育ちました。
ビジネスに失敗し、一文無しになりました。そのおかげで、どんなビジネスに手を出さないべきか、どうビジネスをしていくのが良いかが分かり、今の生活に活かされています。
僕の数々の失敗はプロフィールに載せました。
私たちには思いもよらないはるかに高い視点で、神様は私たちを救ってくださっているようです。
まとめ
もちろん、悪いことは起こらないに越したことはありません。
悪いことが起こったとき、無理にプラスに考える必要もありません。
しかし、悪いことは100%悪いことかというと、それは事実ではありません。
歪んだ眼鏡をかければ、景色も歪んで見えます。
きちんとした眼鏡をかければ、景色もきれいに見えます。
どうすればきちんとした眼鏡をかけれるかって?
いろんなやり方がありますが、そのひとつが今回紹介したABC理論です。
僕も思い込みだらけです。思い込みがすべて外れて正しく見得る状態は悟り(正見)です。私たち凡人には無理でしょう。
僕たちは一生正しく見れないのですが、それでも別の見方があるんじゃないかという気持ちは大切だと思っています。
なぜなら、別の見方があると思えば、もっと広い視点で出来事を見ることができますし、苦しいときも10%くらいは減らすことができるからです。
本当に最悪だと思っているときは、新しい視点を持とうにもできません。
ちょっと苦しいとき、最悪と感じていないときに、ABC理論を思い出してくれると嬉しいです。
今日もありがとうございました。
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