目から鱗! 年収90万円で東京ハッピーライフ (大原 扁理さん)


今回はタライ・ラーマくんが独断と偏見で選んだシンプルライフの偉人伝の解説です(笑)。第1回は大原扁理さんが書いた「年収90万円で東京ハッピーライフ」を紹介したいと思います。

タライ・ラーマくん
この本は最高でした!

年収90万円で東京ハッピーライフとは

内容をひと言で言うと、東京に年収90万円でハッピーに生活している著者の大原さんの体験記です。彼は20代で俗人隠居をされています。投資や莫大な遺産で生活しているわけではなく、再現性が高いのが特徴です。

普通、年収90万円で東京暮らしというと、まず[無理!」あるいは[ひもじい生活を強いられる」と考えがちです。実際、僕がそうでした。シンプルライフを提唱する僕でもいくらなんでも年間90万円は無理だろう、、と思っていました。

しかし、実際にできるようなのです。しかも、わずかながらも貯金もできてしまっています。苦しさもなく、週休5日でハッピーに暮らしている人の生活とその考え方がユニークです。

最初は、え~!!と思いましたが、読めば読むほど、なるほどな~!なるほどな~!と参考になるところが多い本でした。

タライ・ラーマくん
最初は信じられなかったけど、読めば確かにな、、と思うところがたくさんあるんだよね。

こんな人にお勧め!

年収90万円で東京ハッピーライフは、こんな方にお勧めの本です。

 将来に漠然とした不安がある

 お金を稼ぐために生活をしているようで忙しく慌ただしい毎日だ。

 一生懸命働いているのに、お金で苦労する

 人と比べて自分がみじめだな、、などと劣等感を感じる

やさしい語り口で、肩がこらずにすらすら読めます。押しつけがましいところが一切ないのも魅力です。

この本から得られること

この本を読むと、自分のライフスタイルを考えさせられます。ある意味、価値観の転換が起こるでしょう。

 自分は何に不安になっているんだろう?

✔ 社会では常識と言われていることは、自分に合っているのだろうか?

この本を通して、自分の今の生活を見直し、自分に合った幸せなライフスタイルを築くヒントが得られると思います。

大原さん自身、生活のチューニングを繰り返して、今の生活に落ち着いたようですが、
自分にとって、何が大切なのか、何が嫌なのか、どうすれば避けられるのかを考えに考えた結果、今に至っていることが伝わってきます。

自分の生活スタイルをとことん見直した結果、大原さんにとってはこの本で紹介されている生き方に行きついたわけですが、これは万人に勧めているわけではないと言います。

どうすれば自分が幸せかを自分に問いて、自分の実感を大事にしてほしい。とそういう願いのもと書かれている本です。

ここで、年収90万円で東京ハッピーライフに書かれていた大原さんの言葉を紹介しましょう。

[好きなことで生きていく」じゃなくて、「イヤなことで死なない」

 今日のことも大切に出来てないのに将来を語るのって順番が違うような気がする

 選択肢って、なさすぎてもつらいけど、ありすぎても何がなんだかよくわからん

 社会に向き合い過ぎて自分と向き合えない(ことになりがち)

(ルールって、)その理由が実生活で成立しなくなってたら、守る意味ないと思うんですけど

この本の面白いところ

住居について

東京ハッピーライフとうたっていますが、品川区や港区のような都心ではありません。実は、彼の住まいは奥多摩です。(奥多摩も東京都ですよ)
自然が多く、素晴らしい場所です。家賃は2万8,000円だそうです。

駅からは遠いそうですが、これが大原さんにとってはメリットだと言います。なぜなら、駅から遠いと人がわざわざ訪れようとしないし、誘われることもない。人にそんなに会いたいという気持ちがないので、駅からの遠さがよいのだそうです。

時間があるので歩くことが苦になることもありません。彼の趣味は読書と散歩です。場所も選ばずお金もかかりません。
趣味はお金がかからず、好きな時にできるものがよい、と選び抜いたのが散歩と読書だといいます。

これ、僕と少し似てます。僕の趣味は滝行、坐禅、合氣道、自然散策。本を読むのも好きです。お金がかかりません。スキューバダイビングもやっていましたが、最近はご無沙汰しています。

週休5日の生活

介護の仕事を週に2日行い、残りは休日の週休5日だそうです。自分の生活スタイルをとことん見直した結果、今の生活に行きついたんだとか。
自分のための時間を使いたいと、悠々自適な暮らしを選択しているようです。

食事は質素

食事は付き1万円だそうです。玄米、たくあん、みそ汁を中心に、おかずにサバを使うことも多いようです。最近は粗食の方が健康に良いともされていますね。確かに、毎日1万円の食事をしていたら、逆に身体壊しますよね(笑)。おかげで健康そのものだとか。

要らないもの

大原さんにとって要らないものは、変化、刺激、生産性だそうです(笑)。
欲しいものに入りそうなものが要らないというのがおもしろいですね。

イヤなことで死なない生活を目指す

これが大原さんのハッピーライフの真骨頂だと思います。好きなことを求めるというよりも、要らないものが全くない生活に満足することを大切にしています。嫌だな~と思いながらやる時間をできるだけ少なくして、ぼーとするのが好きだそうです。

これは、すごくよくわかる気がします。

好きなことを見つけるのは、意外と難しかったりします。でも、嫌なことは簡単に見つかりますよね。

生きることが苦しくなったり辛くなったりするときに、いきなり好きなことを見つけようとするのは、車でいうとバックギアからいきなりドライブに変えようとするようなもので、これやると、車も壊れやすくなりますよね。

まずは、嫌なことを少しずつなくしていき、その後でぼ~とする。好きなことを見つけるのはその後で良いと思っています。

僕自身、会社が傾き、代表取締役から離れたときは、ひたすら「ぼ~」としてました。何もしないぼ~とする時間は無駄なようで大切だと思いますね。(といいながらも、コンテンツ作りに終始忙しい僕です。そこが矛盾なんだよな~。)

実感を大事にした生活

人の意見を疑い、自分の実感を大事にしている姿勢もさすがだなと思いました。自分のライフスタイルは人に決めてもらうものではなく、自分の実感を大切にするということですね。

ベストなライフスタイルは小さな取捨選択を1万回、2万回と繰り返した先にある。と言います。

自分の気持ちを優先して、選び取りながら創り上げた毎日を送っているからこそ、ライフスタイルに迷いのない姿勢が感じられます。
例えば、大原さんの信条は以下のようなものです。

●   仕事は、食っていけるだけ

●   旅行は、行きたいと思うなら行く

  手持ちのお金で買えるもので生活する

僕は学生時代や社会人になりたての頃は、人の意見に流されてばかりでした。ハウツー本が大好きだったんです。

でも、ハウツー本って自分の実感を無視しやすくなってしまうんですよね。今の自分には合ってないけど、やっていくうちに合うようになっていくんだ、みたいな感覚になりやすいです。

書いた人が間違っているわけではないのですが、その人と私は違う人間だから合わない可能性もあります。だから、自分に合うかを試してみて、合うようだったら取り入れる。合わないようだったら捨てる。というのは大切だと思います。

これは、僕のブログでもそうです。鵜呑みにすることなく、自分の実感を大切にしてもらえるとうれしいです!

逆に言うと、やる前にこれは違う!というのも、もったいないですね。過度に信じることもせず、過度に疑うこともせず、まずは取り入れて、自分の実感を基準に取捨選択するのがお勧めです。

作者のここが凄い!と感じたところ

僕がこの作者がすごいなと思ったのは、自分にとっての最適なライフスタイルがきちんと分かっていることです。これはすぐにわかったことではなく、自分の心の声や実感を大切にしてチューニングした結果だそうです。

自分のことを良く知っており、自分にとって何が大切で、何が必要でないかをきちんと把握されています

 どうすれば自分にとって幸せか。他人のライフスタイルは全く気にしない。

 比較をしない。比較で苦しめられるのであればその世界から離れる。

自分の実感を大切にし、常識を一つ一つ疑っていきます。

  ✔ 友だちって必要?

  ✔ 大学って必要?

  ✔ 資格って必要?

  ✔ 仕事は毎日する必要ある?

こういうことをひとつひとつ点検していくのです。なるほどですね~。常に自分をチューニングしながら、自分と向き合い、自分に合った生活を作り上げる姿勢は気持ちのよいものがあります。

チューニングするには、先ほど紹介した通り、何もしなくてぼ~とする時間が大切なのだそうです。知らないうちに自分をしんどくしていた小さなことの積み重ねをリセットすることを大事にしているようです。

これは僕も実感しています。僕の場合ですと、坐禅や合氣道、温泉などがそうですね。皆さんにも何かあるのではないでしょうか。

特に、なるほど!と思ったところ

最後に、僕がなるほどな!参考にしたいと思ったことをまとめます。

好きなことで生きていくじゃなくて、イヤなことで死なない

この言葉好きですね。好きなことを見つけるのは難しいですが、嫌いなものはすぐにわかるものです。

 満員電車がイヤ

 時間を拘束されるのはイヤ

 理不尽なことに従わざるを得ない生活がイヤ

 やりたくないんだけどお金のためにやらされるのはイヤ

とか、僕だったらこんなものが出てきます。こういうイヤなものをいきなり全部ではないにしても、少しずつでも取り除いてみる。

ちょっと高いけどグリーン席に乗ってみるとか(つり革広告がないので余計な出費は減りますよ)、少しずつ残業を減らしてみるとか。

もしかしたら適した職場に移ってみるなどもよいかもしれません。

意味不明なルールに振り回されないことも大切です。よくわからない校則なんか最たるものかもしれませんね。社会がそうなっているから、と言ってしまうとそれは思考停止状態となり、自分と向き合う力が失われます。

そのルールは実生活で役に立つのか、立たないのであればそのルールから離れることをこの本では勧めています。

目的のない苦労から離れる

苦労には、目的を達成するための苦労と、結果に関係なく苦労することだけが目的の苦労の2つがあると言います。

1. 目的を達成するための苦労

 2. 結果に関係なく苦労することだけが目的の苦労

目的のない苦労からは離れたほうがよく、苦労自慢大会の罠にハマらないように注意しよう、今している苦労は本当に必要か疑うことが大切だ、
と書かれていました。本当にそうですね。

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自分の生き方が正しいも間違っているもない

間違っている何かがないと自分が正しい側に立てないのはしっくりこない。「何がベストか」からできるだけ離れるようにしているようです。

正しいか間違っているかではなくて、好きかどうかが大事。自分の実感を大切にしているそうです。この本では実感という言葉がよく出てきます。
他人ではなく、あなたがどう感じるかを大切にして生きると幸せになるよというメッセージですね。

モノやお金を擬人化する

お金との付き合い方の中で、大原さんはモノやお金を擬人化しているそうです。自分のところに来てくれてありがとう!せっかく会えたんだから、楽しんでおくれ。

お金を出すときも、「良いところへ行っておいで」とお金を送り出すのだそうです。モノに対してもよく自分のところに来てくれたね。とやるそうです。

お世話になった人や仲の良い人に何かをプレゼントするときも、どうやったら喜んでもらえるかを一生懸命考えるのが楽しいです。大原さんは、年末ジャンボ宝くじを贈っています。夢があって喜ばれるし、もらう方も負担がないのだとか。

相手に負担を与えないことも大切ですね。多くあげればよいというわけではないと思います。

働き方についても、生活する上での必要最低限のお金がいくらかがわかった上で、逆算して働く日数を決めているそうです。必要最低限の生活費がどのくらいかを把握しておくのはすごく大事ですね。これは僕もやっています。安心感が大きく高まるはずです。

機会がありましたら、具体的なやり方を解説したいと思います。

夢や目標について

大原さんは必ずしも夢や目標を持つ必要はないのではないかと書かれています。夢や目標のために生きることはもちろん素晴らしいことですが、なければいけないかというとそういうわけではないというスタイルです。

夢あ目標のために生きるのとは別に、今したいからやるというのもありだと言います。これは、断捨離をするときの、今好きかどうかで、モノを手放すか残すかを判断するのと共通していますね。

未来は今と地続きになっていますから、今その瞬間したいことをやっていこうというスタンスですね。将来に対する不安もないそうです。今をベストに生きることを大切に、ベストを尽くした結果、それでもダメなら仕方がない。というのが彼のスタイルです。

僕の場合は、完全に今だけをみるわけではなく、今と将来の半分半分見ていますね。自分に合うスタイルを見つけていきましょう。

共感したのは、お金で回っている世界とそうでない世界のどちらにも行けることを心がけているということ。これは全く自分も同じ考え方です。

価格だけでなく、誰から買うか、誰からサービスを受けるか。というのは幸福度に大きく影響してきます。自分の周りで経済をなるべく回していきたいという思いはありますね。買うときの何気ない会話などは大切にしたいですね。

お金で回っていない世界にも行けるようにしておくというのも、本当にそうだと思います。巡り巡って助けてくれることって多いですよ。

個性とはその人がその人であること

個性についての考え方も面白いなと思いました。個性とは、無意識、無作為の中に出てくるもので、作為的なスタイルは無理が来るというのです。

例えば、成人式に奇抜な恰好をしてくる人は、個性的かどうかというと作為的であるならば、個性とはいわないということですね。目立とうと無理をするのは、人のためにいきているようなもので、人と違うことが個性ではないのではないかと言います。

意識しなくても、にじみ出てくるものが個性だから、個性的に生きようとする必要もないということですね。

そういわれた方が安心する方も多いかもしれませんね。

まとめ

シンプルライフは、ライフスタイルを最適化することを目標に、モノ、身体、心にある不要なモノを取り除きシンプルにしていくことを目指しています。

「年収90万円で東京ハッピーライフ」では、自分の中にある実感をもとに、チューニングを繰り返していくことの大切さを述べており、共通するところが多いです。

家族がいる場合は、家族の価値観も大切になりますし、子どもがいる場合は教育費なども考えていく必要が出てきますので、全員が90万円で生活できるわけではありません。最適なスタイルは人によって様々でしょう。

大原さんも90万円で生活することを目標にされるのではなく、自分にあった生活をそれぞれ考えてみることをお勧めしています。

大切なことは、自分の奥にある小さな声を聴きながら、何が自分にとってハッピーなのかを模索していくプロセスにあると考えています。
本は自分には思いつかないいろいろな視点を2~3000円で与えてくれるので、コスパが良く参考になることが多いですね。

最後にこの本の紹介をして終わります。

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