禅僧の書いた『人生の流れが美しくなる 禅、「お金」の作法』の解説の後編です。シンプルライフを目指す方でお金をどのように扱っていくかのヒントが満載です。
前編はこちらです。
今回は禅僧の書かれた書籍の中でお金の扱い方をテーマに解説します。究極のミニマリスト、シンプリストは誰か?と問われたら、僕はお坊さんだと考えています。特に禅僧の修行僧である雲水さん。彼らに与[…]
本当に必要なものにはお金を十分かける
全てを満たそうとするから、すべてが中途半端になり欲求不販がたまるのだといいます。お金の使い方に優先順位を付け、優先順位の一番目に来ているものには、十分にお金をかける。二番目以降のものには、それほどお金をかけない。
その方がお金の出費も減りますし、満足度の高い生活ができると説きます。
例えば、旅行が本当に好きな人であれば、十分にお金をかけたほうが良い。旅行は楽しむためにあるからです。
楽しむための旅行でケチると、何のために旅行かわからなくなるということが起こりえます。
(もちろん人によると思います。僕は貧乏旅行も好きです)
自分の幸せの基準がどこにあるかを知ることにもつながるね
自分が大切にしているものかがはっきりしてくるね!
それ以外はお金や時間をかけなくても不満に思う必要はない
いつも節約、いつも贅沢ではなく、お金の使い道にメリハリをつけると良いですね。
お金にメリハリをつけるというのは、ケチとは根本的に異なるものです。
どこにお金と時間をかけるのが幸せかという問いは、自分が何をしているときが幸せかと問いているのと同じです。
不要なものを2つ買うなら、満足できるものを1つ買う
セット料金は得ではない
安物買いの銭失いとはよく言ったもので、私たちは「5つセットで1000円!」などの文面に刺激されます。
1つだと300円だから5つだと得だな、とつい買ってしまうのです。(僕もやってしまう)
セットで安い!と買う前に、本当に5つも必要かな?と問う癖をつけることをお勧めします。
必要なものは2つで済むなら、400円で2つ買った方が、質の良いものが手に入りお金も節約できます。
食べ放題で元を取るのは難しい
食べ放題も同じ理屈であまり得にはならないだろうと僕は考えています。
焼肉屋の食べ放題で、3,000円とします。
焼肉で一番高い和牛のロースが1人前1,000円くらいです。(もちろん、原価はさらに安いです)
3000円だと3人前を食べることになりますが、ロースよりも値段の安い野菜やご飯、みそ汁なども付けるでしょうから、3人分を一人で食べるのは大変だと思います。
仮に元は取れたとしても、食事は無理して食べるものではないです。
自分に適した食事の量を一つ一つ味わって、満足していく方が幸せ度は高いと僕は考えています。
コース料理は一番下のグレードがコスパがよい
これは本に書いてあった内容ではなく人から聞いた話です。レストランのコースは一番下のモノを選ぶのがコスパが良いと詳しい人から聞きました。
本当かな、と思い、僕もいろいろなコースメニューで試してみたのですが、確かにその人の言う通りだと感じています。
なぜ、一番下のコースがコスパが良いかを解説します。
レストランもコースである以上、コースでおいしくなかったという評判は避けなければならない。
そのため、コースの一番下であっても、レストランの力を入れている料理を出すのだそうです。
では、中と上は何が違うかというと、品数が違います。5品出るところを7品とか9品など変わってくるのです。
料理の味は空腹度に比例します。
途中で満腹になっているにもかかわらず、料金に含まれているから、と食べるのは、金銭的な意味でも、命を無駄にする意味でも、健康面(適正体重を維持するにも時間とエネルギーが必要)でももったいないと僕は思っています。
✔ 金銭面
✔ 健康面
✔ 命を無駄にする面
✔ 環境面
でも、もったいない
足りなければ、好きな料理を単品で頼んだ方が得だと僕は考えます。
もちろん、コース料理で一番グレードの低いものを頼むのは気が引けるという方もおられるでしょう。
その日の気分や性格によっても、違ってくるとは思います。
満足いくものを長く使う
満足いくものを長く使うのも、お金を無駄にしない方法だと思っています。
例えば欲しいベルトが10,000円のベルトだったとして、10,000円はもったいないなと思って、最初は1,000円のベルトを買う。
しばらくしてから3,000円のベルトにグレードアップする。
何か月かして5,000円のベルトにグレードアップ、1年後に10,000円とようやく満足したベルトになった。
少しずつ楽しみが増えていくという面で、これでも良いとは思いますが、他の方法を紹介します。
10,000円のベルトを買う余裕がない場合は、まずは3,000円のベルトを買います。後に余裕が出たら10,000円のベルトを買います。
1000円のベルトと5,000円のベルトは買わなくて済みますので、その分早く10,000円のベルトを手に入れることができます。
不要なものを捨てる葛藤も減りますね。
その他のお金の作法
その他のお金を使う際の知恵として書かれていたもので、僕も共感しているものを紹介します。
財布の中身やバッグの中身を必要なものだけにする
外出するときは、余計なものを持ち歩かないで必要なものだけを持つと、心が散漫になりにくくなります。
忘れ物が多いという方は、何が大切かを意識していないからだと言います。
今日必要なものだけを持っていく習慣をつけると、今日何が大切かを外出するたびに意識しますので忘れ物はなくなると説いています。確かにそうですね。
僕も余計なものを持って行っていました。この本に書かれた教えを実行しようと思います。
買うときは3度欲しいと思ってから買う
欲しいと思ったらすぐに買うのではなく、例えば、1週間待って、さらに1か月待って、それでも欲しいと思ったら、気分良く買うというのが良いそうです。3回待っても欲しいのであれば、それは本当に欲しいものなので、買っても良いと思います。
罪悪感を感じる必要はありません。
というルールにしているよ。
迷ったら買わないというのも、ルールとして設けても良いです。
僕の場合はプリンターでした。プリンターが壊れてしまい、すぐに買おうと思いました。
いや待てよ、、。3回欲しいと思うまで待ってみよう、と思い立ちました。
調べてみると、散歩ついでにコンビニでプリントアウトすれば不自由しないし、画質や1枚当たりのプリント代も考えると、必要に応じてプリントアウトしたほうが得になるのではないかと思うに至りました。
買うのを待っている間は、自分でいろいろ調べるものです。
調べていくうちに視点が代わり実は要らなかったということもあります。
これで僕の場合は3万円浮きましたし、机も広くなりました。
「もしかしたら必要なもの」を手放す
前編でも書きましたが、必要ないけど、将来必要になるかも、というものを手放してみます。
その習慣を作ると、未来ではなく現在に生きやすくなります。
現在は英語で「Present(プレゼント)」と言います。
今この瞬間は神さまがくれたプレゼントです。そのプレゼントを十分に味わいましょう。
将来必要になるかもと手放したものは、将来のために今必要のないものにお金を使ってしまったものです。その自覚が将来に備えすぎた出費を減らします。
ものを持たなければ、心がスッキリして必要なものがなにか分かるようになってきます。
必要なものがはっきりしてくると、不要なものが一層つかめてきますので好循環です。
まとめ
今回のブログでは前編と後編に分けて、禅僧の書いた、お金の付き合い方を解説しました。本当に大切なものにお金と時間をかける。自分にとって本当に大切なものはなんだろう、社会にとっては、地球にとっては、、と自問させられます。
今の社会に大切なことは、自然環境を守ることであったり、人々が安定した暮らしができることであったり、人間だけでなく無駄な殺生がないことであったり、貧しくて苦しんでいる人を救うことだったり、いろいろな課題があります。
その課題に向き合うお金もエネルギーもないのが今の世の中かもしれません。
自分にとって、社会が本当に必要としているものは何かを改めて考えるきっかけになりました。本当に何からやるのがいいのかな~。
今回解説したのは、自分が心に残った部分で全体の5割くらいです。興味がある方は、ぜひ読まれてみるとよいでしょう。Kindle Unlimitedで無料で読めます。
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この本に書かれていることで、学びになることが特になかったという方はシンプルライフの上級者だ、と自信を持って良いでしょう。
この本の中で印象に残る言葉がありました。
「お金とは空気のようなものです。無くてはならない大切なものですが、意識しすぎると欲望の過呼吸が生じてしまいます。」
シンプルライフとは、人生にとって一番大切にしなくてはならないものを明確にする生き方です。自分の生きる指針ができあがることはとても幸せなことだと思います。
ものを少なく生きるとは、余計なことに心を取られない最高の贅沢だと考えています。