【人間関係】上手な聴き方テクニック 全体像を解説


このブログはかなり気合を入れて書きました。
人間関係を良好にするために、ぜひ役立ててください。

「あらゆる悩みは対人関係の悩みだ」 (アルフレッド・アドラー)

「人間の本当の幸福は人間関係の中にしかない」 (ハリー・スタック・サリヴァン)

心理学者アドラーやサリヴァンの言葉を借りるまでもなく、人間関係は私たちの幸せに直結します。

最近の楽しかったこと、辛かったことを10個リストにしてみるワークを前のブログで紹介しました。

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おもしろいことに、僕の場合、辛かったことのほとんどが人間関係に起因するものでした。同時に楽しかったことの多くも、人が関わるものでした。

あなたはどうですか? 一度やってみるといろいろな発見があると思います。

人間関係は苦しみの元凶にもなりますし、幸せの運び役ともなります。

今回はより良い人間関係を築く上で土台となる上手な聴き方について一緒に考えてみましょう。
聴く力はクライアントの悩みを聴くカウンセラーはもちろんのこと、職場や家庭、学校でもとても役に立つスキルです。

聴く場面はいろいろありますが、今回は中でも、話すことに躊躇するような本音や、悩みを相談されたときの聴き方について解説します。
これらセンシティブな話題は、聴き方の中でも対応を間違えると一番こじれやすくなるものです。

最後まで読まれたあなたは聴き方に関しては、聴き方について悩むことはなくなるでしょう。
後は練習あるのみです。

1. 「聴く」と「聞く」の違い

「聴く」と「聞く」はしばしば区別して使われます。このブログでも区別して使い分けています。

このブログでは、自然に耳に入っている状態できくことを「聞く」とし、意識を向けて相手を理解しようときくことを「聴く」としています。

「聴」という漢字は、耳と目、心から成り立っています。全身を使って相手に注意を向けて聴くということですね。
何となく耳に入っている、聞いたつもりが聞いてなかった。これは聞くであって、聴くではありません。

話すことを躊躇してしまう内容でも、正直に本心を開示できる環境・雰囲気を作り出す聴き方を身に付けていきましょう。

2. 上手な聴き方のスキルを身に付けるメリット

上手な聴き方のスキルを身に付けるメリットは大きく3つあります。

1. 信頼関係が築きやすくなる

2. 意思の疎通が図られ、情報が入りやすくなる

3. 人から感謝されることが多くなり、自己肯定感が上がる

十分に話を聴くことは、相手を完全受容する行為です。
言いにくい本音を語る場面、悩みを打ち明ける場面では、聴く力が特に大切となります。

話し手を本当に理解しようと努めて聴く人は、話し手から見ると自分を大切に扱ってくれている大切な人です。
自分を理解しようと努めてくれる人とは、信頼関係が築きやすくなります。

気持ちよく報告しやすい雰囲気が作られれば、情報も入りやすくなります。
情報は身体の血液と一緒で、情報が上手く回らないと組織は動脈硬化を起こします。
現場の情報をいかに吸い上げる仕組みを作れるかが大切です。そのためには聴く力を上げることが鍵となります。

上手に聴くことができる人は、人から頼られ相談に乗ってほしいと慕われるようになります。
人の役に立つことができている、という実感から来る自己肯定感も上がり、聴く側の幸福度も上がります。

上手に聴くスキルは、相手を幸せにするだけでなく、私たち自身も幸せにします

3. 聴き方の失敗例

自分では良かれと思ってやっている聴き方が、相手の助けになっていないどころか怒りや不満の原因となっていることがよくあります。

陥りやすい聴き方の失敗例を6つ挙げてみましょう。
こちらは日本メンタルヘルス協会で学ばせていただいたものです。

1. 「どうして?」と質問を繰り返すタイプ

2. 「そうだよね~。わかるよ。」と相手に安易に同意してしまうタイプ

3. 「こうすればいいんじゃない?」とアドバイスするタイプ

4. 「あなたはこう思っているんでしょう」と決めつけタイプ

5. 「これはダメだよ」と相手を説教するタイプ

6. 注意を他にそらすタイプ(まあ、おいしいものでも食べれば気分が晴れるよなど)

いかがでしょうか?
えっこれダメなの?という例がありませんでしたか?
僕は2と3をよくやってしまいます。良かれと思ってやっていたことが実は良くなかったんですね。
なぜこれらの聴き方が良くないかというと、相手の話に意識を向けず、自分の中にある過去や未来のフィルターを通して聴いているからです。
この6つの聴き方は話している相手にとって、不満や怒りの原因となりがちです。

4. なぜ聴けないか

陥りやすい聴き方の失敗例はわかった。ではどうすればよいの?
と思う気持ちもわかりますが、その前になぜ聴けないのか、原因を考えてみましょう。原因がわかれば対処しやすくなります。

上手く聴けない原因は大きく2つあります。

1. 話を聴きながら、自分の考えを同時に聴いている

2. 相手を自分の一部と見ている

それぞれ解説します。

1. 相手の話を聴きながら、自分の考えを同時に聴いている

私たちは人の話を聴きながら、様々なことを考えています。

今日の夕ご飯は何にしようか、この人の話長いな、こうしたらいいのにな、
など、話を聴きながら、自分の心に浮かぶ声を同時に聴いています。

自分の心に浮かぶ声をひも解くと、過去のデータベースや未来に意識を寄せていることがわかります。

例えば、過去の経験に照らし合わせてアドバイスしたり、自分の持つ基準をもとに評価を下したりするときは、過去のデータベースを引っ張り出しています。

一方、話を聴きながら、「どんなコメントをしようか」、「この話はいつまで続くんだろう?」と考えているときは、未来に意識を寄せています。

いずれも過去や未来のフィルターを通して聴いており、今この瞬間に意識を向けていません。これが話を聴くときのノイズになります。

過去や未来に意識が向いていると気づいたら、現在に留まることに意識を戻しましょう。
今の意識が過去に向かっているか、未来に向かっているかを意識することで今この瞬間に意識を戻しやすくなります。

過去や未来のフィルターを通すのではなく、今この瞬間に意識を向けて聴きましょう

さらに詳しく知りたい方は、精神科医の水島広子先生の著作、怖れを手放す(続)怖れを手放すを読まれると理解が深まります。
お勧めの2冊です。

2. 相手を自分の一部と見ている

私たちは、相手と自分は異なる存在であることをつい忘れてしまいがちです。心理学では(母子)一体感と呼ばれます。

母子一体感とは、「相手は自分と同じ感覚・感情を持っていて当たり前だ」「相手は自分の思う通りに動いてくれて当たり前だ」と、小さな子供がお母さんに抱く感覚のことです。

小さな子供は親なしで生きることができないので、母子一体感は生きる上で大切なのですが、問題なのは大人になっても一体感を抱くことです。
特に家族や上司部下、先生と生徒の間では、母子一体感が出やすくなります。

学校の部活動を見ていると、顧問の先生が生徒以上に熱くなってしまって、きつい練習を強要したり、どんなことをしても1位にならなければ!との意識が前面に出過ぎている場面を見かけます。

生徒が先生の夢を叶える存在になっているのであれば、母子一体感になっている可能性があります。

心理学者アドラーは、自分と他人の課題を分けなさい、これを課題の分離と呼んでいます。
誰の問題なのかを、きちんと線引きしなさいということです。

心理学では離別感という言葉を使います。
離別感というと寂しいイメージを持ちがちですが、相手を自分を別の存在として尊重することを意味するもので、ネガティブなものではありません。

5. どのように聴くか

このブログでは上手な聴き方テクニックとして、STEP1からSTEP3まで解説します。

STEPが上がるごとに具体的になってきますが、STEP3はSTEP2の土台があって成り立つものであり、STEP2はSTEP1の基礎の上に成り立ちます。

それでは一つ一つ見ていきます。

STEP1:聴くときの前提

人の話を聴くときは、評価を下さないことが前提です。実はこれが難しいのですが。。。

人の話を評価して聴くことは、同時に自分が話すときに他人からどう思われるかという自分への評価につながります。
人の話を評価して聴くと、あなた自身を不自由にしてしまうのです。

人の話を評価して聴くことは、同時に自分が話すときに他人からどう思われるかという自分への評価につながります
人へのアドバイスもよろしくありません(相手が求めている場合はその限りではありません)。
アドバイスをするということは、現状が良くないとあなたが判断していることが暗示されています。
相手の現状は良くないから「変えてあげよう」とあなたが判断し、善意のアドバイスをするわけです。
実際には現状が良いか悪いかは話し手が判断することで、あなたの過去のデータベースによって導くものではありません。
まずは現状を受け入れることで安心安全な場所が作られます。
アドバイスをするということは、現状が良くないというあなたの判断が暗示されています
アドバイスは求められない限り行うことは控え、理解することに徹しましょう
もうひとつは、話しやすい、相談しやすい雰囲気を作ることです。
例えば、話し手と聴き手が正対すると、話し手は圧迫感を感じることが多いです。正対しないように、例えば90度ずらして座るとかの配慮も必要かもしれません。
相手の目を見て話すとよく言われますが、目を見て話すとプレッシャーに感じることが多いです。目よりも相手の鼻に焦点を合わせることなく見るくらいがちょうど良いでしょう。これは合氣道で教えていただきました。
言葉で表すのは難しいですが、顔全体を眺めるイメージです。

STEP2:アクティブリスニング(能動的聴き方)とパッシブリスニング(受動的聴き方)

STEP1の聴くことの前提を理解した上で、具体的にどのように聴いたら良いかを解説します。

カール・ロジャース(アメリカ 1902-1987)のクライアント中心療法は、完全受容を特徴としています。
特に悩みを聴いたり、話すことを躊躇してしまう内容を聴いたりするときに効果を発揮します。

もちろん、私たちが悩みを聴く上でも大きな効果があります。

1. アクティブリスニング(能動的な聴き方)

アクティブリスニングは相手の鏡になる聴き方です。全身全霊、相手を理解する気持ちが大事です。

白紙で自分の意図をはたかせることなく、聴くことに徹します。アクティブリスニングのポイントは3つです。
ロジャースの傾聴の3原則とも言われています。

1. 自己一致 (congruence):曖昧に聴かず、本当に理解しようとする聴き方ですね

2. 共感的理解 ( empathic understanding):(自分はそのような行動は取らないにしても)相手の心情や行動の背景を理解しようとする聴き方ですね

3. 肯定的配慮(unconditional positive regard): 相手の気持ちを汲み取ろうとする聴き方です。

子どもがお母さんに学校に行きたくないと言っている場面を考えてみましょう。
子ども:「お母さん、今日は学校行きたくない」
お母さん:「何で行かないの、行けば気分も変わるから、行きなさい。」
と言う代わりに、
お母さん:「そうか~、今日は学校に行きたくないんだね。」と鏡になって相手の言葉を繰り返します。
会話がつながる感じがしませんか?
子ども:「そうなんだよ。先生が僕のことを叱るんだよ」
お母さん:「先生に叱られると思って、学校に通うのが嫌になるのかな」
自分の評価を加えずに、鏡になって、相手の言っていることを本当に理解しようと確認をしていくと、相手もより正確に話してくれるようになりやすいです。
ただし、「〇〇がどうなって、▽△になって、××になって、、、」と話が長くなると、焦点がぼやけてきますよね。こういう時は、枝葉を切って、幹の部分を残して、ここがポイントだなと思うところを確認していくとよいでしょう。
書くと簡単に見えますが、実際には相手が本当に言おうとしていることを理解しようと集中しないと、まとめることはできません。
過去や未来に意識を向けていては不可能です。相手の話に集中する必要があります。

効果のあるトレーニングは、新聞や雑誌の相談記事の要約です。

紙面に書かれている場合は考える時間がある分、枝葉を落としやすいです。相談への回答も参考になるのですが、どちらかというと相談内容を要約すると良い練習になります。紙に書いてあるものは、考えられる分ハードルは低くなります。

練習する内に要約がつかむのが上手くなり、会話での長い話も本質がどこにあるか見えてくるようになります。よかったら試して下さいね。

新聞や雑誌の相談内容を要約する訓練が、話をまとめるトレーニングになる

2. パッシブリスニング(受動的な聴き方)

パッシブリスニングは「受動的な聴き方」と訳されますが、消極的なイメージを持たれる方もおられたかもしれません。
しかしそうではありません。

実際には、アクティブリスニングよりもパッシブリスニングを使う機会の方が多いです。
割合にすると、パッシブリスニングが7に対して、アクティブリスニングは3でしょうか。
もちろん、状況や相手によって割合は変化します。

パッシブリスニングは相手のペースや間を大切にする聴き方です。
聴き手は話し手が沈黙すると、何か話さなくっちゃと焦りがちですが、パッシブリスニングは沈黙を大切にします。

1. 沈黙を大事にする

2. 相槌を打つ

3. 思いを引き出す言葉で関心を持っていることを伝える

ときに沈黙が人を救う場合があります。
しゃべりたくないときは、しゃべらなくて良いんだよ、という気持ちと態度で聴くことにより安心感を与える雰囲気となります。

相槌は、あなたの話をわかっていますよ。関心を寄せていますよという意思表示です。
「へ~!」、「なるほど~!」、「おもしろいですね!」など思いを伝えながら聴くことで、相手は話しやすくなります。

リアクションを取るということですね。

思いを引き出す言葉は、あなたの話をもっと聞きたい!、あなたを理解したい意思表示を示すものです。

「それについてもっと教えていただけませんか。」、「これは興味深い話ですね」など、聴き手も関心があり、もっと話してほしいという雰囲気を話し手に伝えながら聴くことで、話し手は心が開いていきます。

注意!

アクティブリスニングもパッシブリスニングも状況に合わせて活用してください。

アクティブリスニングやパッシブリスニングは、悩みや言いにくいことを話す相手に有効な聴き方です。

妻:「食事が終わったら、お皿を片付けて洗ってほしいんだけど。」
夫:「そうか~。僕が食事を終えてもお皿を片付けずに放っていることに君はいら立っているんだね。」

こんな風に返したら、奥さんにキレられます。

これは僕がパッシブリスニング、アクティブリスニングを習い始めたときに失敗したノンフィクションです。これを読んでいるあなたは、僕と同じような失敗はしないと思いますが、念のためお伝えします。

STEP3:本音に迫る聴き方上手になる11のコツ

本音に迫る聴き方上手になるための11のコツは、米国のオンライン教育プラットフォームであるUdemyで公開されています。
カウンセラーの伊藤先生と僕が共同で作成したものです。

動画で体系立てて学びたい方は、Udemyで学ぶのも良いでしょう。(30日間の返金保証がついています)

STEP3まで行くとかなりの上級者です。カウンセラーが活用しているコミュニケーション・メソッド を一般向けにアレンジしたものです。

カウンセラーを聴き手、クライアントを話し手と置き換えて読んでいただくと理解しやすいと思います。こちらに詳しく書きましたので、よろしければご覧ください。

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6. 上達する心構え(うまくいかない!と悩んだときに上達)

僕自身、できていないことだらけで、進歩してないな~と思うことも多いですが、だからこそ意識していることがあります。

(今日もやっちまったな~)というときは、気づいた自分を褒めるようにしています。

人間そんなにすぐにできるようになりません。10年計画で考えるくらいがちょうど良いと思っています。

スポーツでも1回習ったらすぐに出来るようになることなんてあり得ません。
心も同じ。知ったからといって、すぐにできるわけがありません。

では知ることで何が良いかというと、できなかった自分に気づけることだと思っています。
何が良いか知らなければ、私たちは気付きようがないのです。

タライ・ラーマくん
失敗に気付けた自分を褒めるようにしよう!

成長の5つのステップ

成長には5つのステップがあります。

① 知らない

② わかる

 ③ 行う

④ できる

⑤ 自動操縦

知らないから、わかるに移っただけでもすごいことです。気づいたときに行う内にできたことが増えてきますし、できたことが増えていけば潜在意識に入って、いずれ無意識にできるようになってきます。

しかし、そこまで到達するには時間がかかるものだと、思っておけば、今できなくても焦ることはなくなります。

アンソニーロビンスが言うように、
人は1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価する
ものです。

気づいた自分を褒めて少しずつ成長していきたいなと思っています。

持続することが大事ですね。人って瞬発力は備わっているが、持続力は備わっていないようです。
だからこそ持続できる仕組みを作っておきたいですね。僕の場合は無理せずマイベストでやること心がけています。

7. まとめ

聴くという行為は、話し手への尊敬があって成り立つものです。

カール・ロジャースも個人の尊厳と技法を両輪とすることを強調しており、個人の尊厳のない技法はパターンに過ぎないと述べています。

上手な聴き方は、個人の尊厳と技法の両輪で成り立ちます。
以前NLPがブームになったとき、痛みと快楽の質問が流行ったことがありました。NLPを習いたての知り合いは、現状のままだったら、あなたにどんな痛みを起こすことになるだろうか、とよく質問してきました。
セールストークなどでも、「これを買わないあなたは、これからどんな痛みが生じるか考えてみて下さい。だから、この教材で現状を打破してください」、みたいな文面がよくありました。
心理学を自分のためだけに使う人をみると、僕は少し残念な気持ちになります。
多くの偉大な心理療法家が、人々の悩みや苦しみを改善しよう、人々に幸福をもたらそうと様々な手法を生みだしました。そのおかげで私たちは大きな恩恵に授かっているわけですから、心理学をぜひ人のために役立ててほしいと思います。
このブログを通して、少しでも良い人間関係を築き、周りを幸せにする人が増えてくれるとありがたく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
感想などコメントに入れてくれるとうれしいです。
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