【人間関係】意見の違いはチャンス!対立者を協力者に変える技術とは?


複数の人間がいるところでは、対立が生じるものです。
シンプルライフも一人で生活する場合は自分のペースで行えますが、家族がいると必ずしも自分のスタイルを貫くことが難しいこともあります。

不要なモノを手放したくても家族にとっては大切なものであったり、それらの行為そのものが嫌がられたりすることもあります。
家族から反対されると、足を引っ張られたと感じてストレスに感じることもあるでしょう。

今回は、対立者を協力者に変える技術、Win-WIn解決法を解説します。
これはどちらも妥協できる、落としどころを考えるというものではありません。
両者にとって、ベストの案を探るためのものです。

家族と対立してしまっては、本末転倒です。
できればお互いが納得できる案を作って、価値観の異なる相手に協力者になってもらいましょう。

日本メンタルヘルス協会で教えてもらった方法をタライラーマがアレンジして、お伝えしています。

Win-Winという言葉は、スティーブン・R・コヴィー博士の超ベストセラー「7つの習慣」で初めて登場しました。
第4の原則【Win-Winを考える】に記載があります。その他、「第3の案」、「7つの習慣  最優先事項」(いずれもコヴィー博士)でも詳しいです。
どれもボリュームがありますが、余裕がある方にはお勧めです。

Win-Win解決法とは?

Win-Win解決法は、自分にとっても相手にとってもメリットがある方法を探るための手法です。複数の異なる視点で解決策を見出していくため、思いもかけない解決策が出ることがあります。(これをコヴィー博士は第3の案と言っています)
Win-Win解決法を知ると対立を恐れることなく、前向きに捉えることができるようになります。

● 意見の対立をチャンスととらえ、恐怖心がなくなる

● 対立をお互いが分かりあえるチャンスに変えることができる

タライ・ラーマくん
対立することが怖くなくなると、心に余裕が出るね

Win-Win解決法の手順

それでは、Win-Win解決法の手順を解説します。

1. 安心安全な場を作る

対立はお互いのニーズが異なっているに過ぎません。

お互いのニーズが異なっている場合は、まずはお互いのニーズを理解することから始まります。本音を出し合いやすい、リラックスできる場を作ります。周りにスイーツを置くのも良いでしょう。

タライ・ラーマくん
緊張した話合いではなく、リラックスできる雰囲気づくりは大切だね。

 

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2. 議題の明確化

安心安全な場の中でも、いつの間にか勝ち負けの世界に入ってしまうことがあります。解決を図るのが目的なのに、相手に勝つことにいつの間にか目的が入れ替わってしまうのです。

それを防ぐためには、はじめの段階で私たちの目指すゴールを確認し、何に対して話をしているのかをはっきりさせておくと良いでしょう。
目的は人を打ち負かすことではなく、お互いに納得できるアイデアを出すことであること。その方向性を一致させます。

これは冷静になっている側の人間が行います(頭に血が上っている人はできませんね)。
7つの習慣でも第一の原則は「主体性を発揮する」でした。主体性を発揮しましょう。

3. ブレインストーミング

ブレインストーミングは「集団発想法」とも言われ、複数のメンバーで自由にアイデアを出し合い、あたかも脳に嵐を起こしているかの状態にするものです。ブレインストーミングはいろいろな場面で使われますが、対立を解決するためのツールとしても活用できます。

1. 突拍子のないアイデアで構わないので、思いついたことをひたすら紙に書いていく。質より量。良い悪いの判断はしない。

2. 出てきたアイデアを否定せず、全肯定する。(自由な雰囲気を作ることが大切です)

3. 実現可能なものと、できなそうなものを振り分ける

4. 実現できそうなものを試す

5. うまくいくかどうかをフィードバック。うまくいかない場合は1に戻る

ブレインストーミングでは自由な発言が大切ですが、アイデアや解決策を出すものであることを共有しましょう。いつの間にかできない原因を挙げる場になることがあります。

ブレインストーミングをするときは、記録係を決めておくと良いでしょう。皆から出たアイデアを記録しましょう。
もちろん、記録係がアイデアを出すのは大歓迎です。

出てきたアイデアはみんなでイイネ!と全肯定します。
現実味があるかないかは、その時点ではどちらでも構いません(後で現実的なアイデアを整理します)。

 アイデア出しは短い言葉で簡潔に

✔ 10分から15分程度。集中力を保てる時間で行う

✔ アイデアは全肯定。良し悪しをジャッジしない

 似たようなアイデアも大歓迎。数を出すことが大事

ユニークなアイデアを重視するという意見もありますが、僕は別にユニークでなくても良いと考えています。
アイデアをジャッジしない方が楽しくできますよ。

4. アイデアの整理

ブレインストーミングのコツでも書きましたが、自由に出てきたアイデアを整理し、実現可能性のあるものを残していきます。

その時は、なぜ残すからの理由も必要です。
せっかく出されたアイデアを採用しない場合は、その理由を共有すれば、アイデアを出して採用されなかった方の心象も悪くなりません。

この方法は後述します。

5. 行動(ベストなアイデアを試す)

出されたアイデアの中で、ベストなモノが見えてきたら後はそれを行動に移してうまくいくかを試します。

ブレインストーミングではアイデアを出すことが目的になり、行動に至らない場合がよく起こります。

アイデア出しは行動に移すための手段ですから、良いと思ったアイデアを試してトライ&エラーをしてください。うまくいけばそれでよし。うまくいかなければ、1に戻って、その結果を踏まえてのブレインストーミングをします。

このサイクルを繰り返すことにより、最短で解決に導くことができます。

ブレインストーミングのよくある質問

ブレインストーミングについての、よくある質問と回答をまとめました。

Q1 ブレインストーミングは、一人で行うことも有効か

A1 1人で行うことも有効です。

1人でのブレインストーミングはアイデアが限られるため有効ではないとの意見もありますが、僕は有効だと考えています。
実際、僕は1人ブレインストーミングを頻繁に行っています。1人で行っても効果は高いと言えるでしょう。

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Q2 ブレインストーミングを行うときはカードや付箋を用意しておいた方がよいか

A2 気軽に始めることを第一とし、必ずしも必要とは捉えていない。

ブレインストーミングでは、カードや付箋を用意しておいた方がよいという意見は多いです。これは後で似たような意見を並び替えて整理できることが主な理由です。

KJ法と言われるもので、文化人類学者の川喜田二郎氏が考案しました。

しかし僕は、付箋やカードを使ってのブレインストーミングは行っていません。気軽にノートや紙にメモする程度です。代わりにマインドマップを使うことが多いです。

これは好き嫌いの世界で、好きな方を選んだら良いと思います。

KJ法とマインドマップでの整理の仕方は後で解説します。

Q3 アイデアだけ出して行動することなく終わってしまうパターンが多い

A3 アイデアと行動をセットにする

ブレインストーミングは行動とセットですが、なぜ行動できないかというとフォロー体制がないことが多いからです。
うまくいかなかったときにバックアップがとれる体制、行動した人が褒められる文化作りが大切です。

うまくいかなくても、それが貴重なデータです。
その事実を踏まえてブレインストーミングを行えば、より精度が高い解決のアイデアが生まれてきます。

アイデアを実行に移すためには、実行者を現場の人に決めてもらうと良いでしょう。現場のことは現場の方が一番わかっており、適材適所が肌感覚でつかんでいるからです。

役割を決めるときは、あえて上司が席を外すというのもありです。
もちろん実行することに失敗がつきものですから、フォローする体制は作ってください。

そもそもうまくいかなかったというデータが貴重で、失敗ではありません。

Q4 思いつきのアイデアばかりで実現可能性が低いものばかりが出てくる

A4 良いアイデアが出る必要はない

良いアイデアがでなければブレインストーミングが失敗だと思う方が少なくありません。良いアイデアが出なかったとしても、ブレインストーミングを行ったこと自体に次のような効果があります。

1. 解決すべき課題が明確になる

2. 何をしてほしいか、チーム内で共有できる

良いアイデアを出すことを目的にせず、数を出すことを目的にしましょう。数は質に勝ります。

Q5 アイデアを出す人と出さない人に分かれてしまう

A5 全員参加が原則。楽しく参加できる仕組みを作ろう

ブレインストーミングは全員参加が原則です。なぜなら参加することで課題が共有されるからです。
自分が参加していないことに対して解決しよう!という気持ちは芽生えません。

そうは言っても、勢いがある人や声の大きな人が場をコントロールしたり、こんなアイデアで良いのかなと出すのを躊躇してしまう人もいたりします。

パンダくん
ファシリテータがいるといいね!

そこでブレインストーミングでは、進行役(ファシリテーター)がいることが望ましいです。
「これに関連して〇〇さんは、何かアイデアはありませんか?」と発言の少ない人に振ってみたり、順番に一人ひとり言ってもらう規則にするなども良いでしょう。

「特にありません」、「前の意見と同じです」はご法度です。
「あるとしたらどんなアイデアがあるでしょう?」、「前の意見と同じというのは具体的にはどういうことでしょう?」など、具体的に言葉に出してもらいましょう

できるだけカジュアルに、どんなアイデアでも肯定できる安心安全な場づくりが大切です。

「打ち合わせ」などの堅苦しい言葉を使わず、「皆でアイデアを出してみましょうか!」みたいな軽いノリが大切です。
アイデアが出たら皆でイイネ!と優しく包み込む雰囲気を早い時期に作りましょう。

Q6 その場ですぐにアイデアが出ない場合はどうすればよいか

A6 スピード感と口火を切る役割を担う人を作ろう

逆説的ですが、考えてしまうとアイデアが出にくくなります。スピードとリズムが大事です。

時間を区切ると効果的です。集中力の続く10-15分がお勧めです。
1時間以上はだらけてしまうので、望ましくありません。

口火を切る人がいると、流れがスムーズになります。
(まず私から、、と言ってくれる人は重宝します。)

(こんな発言でも大丈夫だったんだ、)という気持ちが芽生えればしめたものです。

すぐにアイデアが浮かばない方でも、実際はアイデアがないというよりも難しく考えてしまったり、発言を怖がったりすることから生じることが多いものです。気軽に参加できる雰囲気がうまくいく鍵です。

安心安全な場を作ることで、自由に発言できる雰囲気を作りましょう。

すぐにアイデアが浮かばないという方も、実際はアイデアがないというよりも難しく考えてしまったり、発言を怖がったりすることから生じることが多い。安心安全な場づくりが大事となる。

ブレインストーミング後の整理

ブレインストーミングでたくさんのアイデアが出た後は、アイデアの整理をします。
整理するには、KJ法とマインドマップがよく使われます。ちなみに僕の場合はマインドマップを使っています。

KJ法

文化人類学者の川喜多二郎先生が考案したものです。

1. カードを用意し、1アイデア、1カードを原則にアイデアをカードに書き込んでいきます。

2. 似た内容のカードをグループにまとめて束ねます。

3. グループ化したカードの束に名前を付けていきます。

4. 近いグループをさらにまとめて、中グループを作ります。

5. 共通グループごとにアイデアを集約します。

6. グループの束を見ながら関連付けられるものがないかを見ていきます。

僕はほとんどKJ法は使わないので、具体的なやり方は他のサイトを見て頂けると助かります。

マインドマップ

僕はKJ法よりもマインドマップを使っています。
アイデア出しをするときは、ノートや紙にとにかく書いていき、パソコン上でマインドマップで整理します。付箋やカードを用意できなくてもすぐに始められるのがメリットです。

ソフトを使えば並び替えやグループ分けも自由ですし、自動保存や共有もできます。僕が使っているのは「MindMeister(マインドマイスター)」というものです。

MindMeisterは、無料のベーシックでも3枚までは無料で使えますので、用途に合わせて試してみるのも良いでしょう。MindMeisterの機能についてはこちら

 

まとめ

今回は、対立者を協力者に変える技術として、Win-Win解決法を解説しました。

Win-WIn解決法の土台は、対立はお互いのニーズが異なっているに過ぎないと認識することです。

上司から文句を言われる、家族の中で衝突が起こる。
これらは全て、自分と相手でニーズが異なっていたと認識すればよいのです。

相手はどういうニーズを持っているんだろうと観察することからすべては始まります。お互いのニーズが異なっているのですから、両者が納得するニーズを見つけていきます。これが第3の案と言われるものです。

第3の案を見つけるにはブレインストーミングが有効です。

Win-Winの考え方や第3の案の作り方について、詳しく知りたい方は次の書籍がお勧めです。
ただし、ボリュームがあるので、時間があるときに読んでください。今回の記事でも十分かと思います。

対立を恐れることなく、さらなるアイデアを出すチャンスととらえて楽しんでください!
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