【コラム】- カムカムエヴリバディが終わって - 幸せとは何かを考える

 


NHKの連続テレビ小説のカムカムエヴリバディが今日で最終回を迎えました。最高でしたね~!

毎朝が楽しみで本当に感動するものでした。歴代の朝ドラの中でも最高傑作だったと思います。

カムカムエヴリバディは、大正・昭和・平成・令和の四時代をラジオ英語講座とジャズと時代劇と共に生きた母娘孫三代の1925年から2025年まで100年間をドラマにしたものです。一代目は安子(上白石萌音)、安子の娘るい役を深津絵里、るいの娘(安子の孫)を川栄李奈が演じました。

今回は、僕が大好きな映画、カムカムエヴリバディを通じた感想と幸せについて考えてみます。

カムカムエヴリバディを見た感想と考察

カムカムエヴリバディを見て、生きることは素晴らしいことだとあらためて感じました。

1. 幸せの在り方について(昔と今のドラマの違いから)

2. 人を通じた縁や奇跡(宇宙の流れを信じる)

3. 仕事を通じた幸福

4. 日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備える

幸福の在り方(昔と今のドラマの違いから)

カムカムエヴリバディに限りませんが、最近のドラマと昔のドラマでは、ヒットする要素が異なるように感じます。

NHKの朝ドラで最大のヒットは、1983年から1984年にかけての連続ドラマ小説の「おしん」です。平均視聴率は52.6%だそうです。ヤオハン創業者の和田カツさんがモデルになっているようですね。

苦難に耐えて、最後はスーパを立ち上げ拡大していくストーリーですが、令和の時代におしんを放映して流行ったかというと、僕は流行らなかったのではないかと思っています。

なぜかというと、立身出世を遂げた人の話よりも、当たり前の日常生活の中に幸せを見出すストーリーに共感する人が多くなっている気がするのです。

カムカムエヴリバディでも、安子が稔さんと結婚するも稔さんは戦死してしまう。女手一つで娘のるいを育てようとしたが、疲労困憊の中で米兵の軽トラを避けようとしたときに、安子の三輪車が横転し、るいの額に傷をつけてしまう。

その傷がもとで、安子とるいが別れる原因となり、何十年ぶりに安子とるいが感動の再開を果たす。

ここには名声や成功と言ったモノとは異なる幸福感があります。そこに多くの国民が涙しました。

過去の苦しい思い出や苦しかったことが昇華され、ゼロに戻る。当たり前の生活に幸せがあることを改めて再認識させられるのです。

この何気ない日常にこそ、幸せがあることを改めて考えさせてくれるドラマに人気が出ているように思います。そして、それは良い傾向だと僕は感じています。誰にでも当てはめやすいからです。

「ありがたい」という言葉は、「有難い」から来ています。

特に何事も起こらなかったことはとても貴重なことなのです。その貴重さを私たちは忘れてしまいます。しかし何もないということは、とてもありがたいことなのです。

僕は10年前に自分が立ち上げた会社を清算したことがあります。貯金は底をつき、清算する前までは毎日、心に重しが載せられているような気分でした。

何とか清算でき、マイナスからゼロに戻ったときは、心からの幸福を味わいました。貯金がゼロになり、これからどうしようかとなったときでも、とりあえずゼロに戻ったことが幸せでした。

幸せとは相対的なものです。幸せがないのではなく、日常そのものが素晴らしいことを改めて感じました。

人を通じた縁や奇跡(宇宙の流れを信じる)

カムカムエヴリバディでは、様々な奇跡や縁は人が運んでくれました。トミー北沢、大月丈一郎、英語ラジオ講座、一子(ベリーちゃん)、出会いが縁を紡ぎ、伏線が回収されていく様子は見事でした。

人智を超えたところに縁や奇跡はあります。

ドラマの演出上、縁や奇跡は特に際立っていましたが、私たちにも多少なりとも人を通じて縁や奇跡が運ばれてきます。

僕の場合は、センター試験のアクシデントで希望の大学に入学できなかったのですが、そのおかげで人生の扉が開かれました。

参加したサバイバルキャンプで今の妻と出会ったり、英語のトレーニングを積んでいるときに偶然ネットビジネスのパートナーにならないかと誘いを受けたりと自分では良そうしないところでターニングポイントがありました。

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人間全て塞翁が馬という言葉の通り、何が縁や奇跡を呼び寄せてくれるかわかりません。

私たちを動かす大いなる宇宙はスーパーコンピュータをはるかに勝る視点で、私たちをつなげているようです。

いつも宇宙に身を任せる必要はありませんが、うまくいかないとき、生きる苦しさを感じたときは、スーパーコンピュータを凌駕する宇宙に身を任せて、縁や奇跡を楽しむのも時には面白いものです。

仕事を通じた幸福

正直に告白すると、カムカムエヴリバディを見終わるまでは、仕事が人生を輝かせるという考えにどちらかというと懐疑的でした。

しかしこのドラマをみて、考えが変わりました。

どんな仕事でも、心を込めたものには美しさがありますし、仕事も縁を作ってくれたり、予想もできない遠い所へ私たちを運んでくれることがあることがこのドラマを見て感じました。

仕事について語っている動画で、僕が好きな動画を紹介します。解剖学者の養老孟子さんが配信している「生活の知恵」というものです。

好きなことをやりたかったら、やんなきゃならない事は好きになるしかない

この動画は、すごく腑に落ちました。転職を仕事にするか、今の仕事を天職にするか。それは結局のところどちらでも同じだというのです。

なぜならば、好きな仕事の中にもやりたくないものが含まれていますし、その逆もしかりだからです。

僕もいくつか仕事を変えています。大手プラントメーカー、省庁、農業法人経営、自然学校経営を経て、今はコンサルティングをしています。

いくつもの業種や団体を経験して感じたのは、どの仕事でも良い面と悪い面があるということです。どれが特別にバラ色だったはないのです。

会社員のときは、経営者に憧れました。しかし経営者のときは、会社員の安定差やボーナスの支給があってよかったなとも思いました。
結局のところ、どちらにも一長一短があるのです。

他の職種に憧れるよりも、今の仕事に腹をくくって、大切に扱っていくことで結果的に道が開けてくることもあるように思います。仮に道が開けなかったとしても自分に納得できる人生は幸せではないかと、カムカムエヴリバディを見て感じました。

もっと、今の仕事を大切に扱おうと思いましたね。

日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備える

「日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えよ」

大部屋俳優の虚無蔵がチャンスが一向に訪れず夢をあきらめようとしている五十嵐に賭ける言葉です。

この言葉に勇気づけられる人は多い反面、永遠にチャンスは来ないかもしれず、続けるべきか、他の道を探すべきか、難しいところではありますよね。

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ドラマの中では、虚無蔵も五十嵐もひなたも、いつ来るとも分からぬ機会に備えた結果、大きなチャンスをものにしました。

しかし実際には、最後までチャンスが訪れない可能性だってありますし、チャンスが訪れないまま終わる人の方が多いかもしれません。

難しいところですが、仮に虚無蔵が仮にハリウッド映画にも出演せずに大部屋俳優のままだったとしても、自分の人生に納得できたと思うのです。

途中で別の道を探すのでもそれで納得できるのであれば、それも良いと思います。諦めずに、日々鍛錬し、いつ来るとも分からぬ機会に備えるのもよいでしょう。

最後は自分が納得できるかどうかであり、進んだ以上、納得させるしかないのです。

古代ローマの大哲学者エピクテトスの言う通り、うまくいくかどうかは運やタイミングの要素が絡んできます。

「自分次第のもの(自分で完全にコントロールできるもの)」に価値を見出し、充足感を覚えていくのが良いのかもしれません。僕は、結果が出ても出なくても、自分が満足できればそれでよいという考えを好みます。

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エピローグ

去年より飼っていたアゲハ蝶が春になり飛びだちました。

僕の好きな言葉に

花は蝶により受粉され、実をつけるが、蝶は花を受粉させるために飛んでいるわけではない。

というものがあります。

自分では意識しなくても、ある人にとっては奇跡や縁の運び手になっていることがあるのです。

人はそれぞれ自分では気づかない役割を持っているものです。だからこそ、あなたは貴重なのです

カムカムエヴリバディは、「皆おいで!」という意味も込められているそうです。登場人物、全員が主人公でもあるのですね。

あなたも僕も皆主人公です。脇役はいないのです。脇役も主人公なのです。

主人公である私たち、それぞれが自信を持って日向の道を歩んでいきましょう。

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